40歳を超えてなお、トップレベルのチームで現役を続ける、遠藤保仁選手。
小学生も中学生も高校生も大学生も、社会人だって学ぶことが多くあるはず。
700試合以上出場という大記録保持者
この記事を書いている現在、J2ジュビロ磐田に所属する遠藤保仁選手が、2021年6月13日の甲府戦にフル出場し、Jリーグ史上初となる700試合出場という大記録を達成した。
(ちなみに歴代2位は元日本代表GKの楢崎正剛選手の660試合)
フィールドプレーヤーとしては、元日本代表DFの中澤佑二選手の593試合だから、遠藤選手の記録は群を抜いている。
さらに遠藤選手は日本代表としても国際Aマッチに152試合出場していて、こちらも現時点で歴代1位。
Jリーグで700試合、日本代表で152試合出場は並み大抵の数字ではない。
遠藤選手のテクニックは素晴らしいし、ピッチを俯瞰できる戦術眼、鳥の目を持っている稀有な選手であることはご存知のとおり。
ただ、Jリーグで700試合、日本代表で152試合出場という数字は、それだけではなし得ないのだ。
マネジメント能力について
遠藤選手のマネジメント力に注目したい。
遠藤選手は当然、選手としてはベテランの領域に入っている。
30歳も後半に入ると、20代のときのように常に良いコンディションを保つことが難しいと言われる。自分自身を律し、身体のマネジメントするために相当に努力そしていると思われる。
ベテラン選手の仕事として、若手選手や中堅選手のマネジメントだって行っているはずだ。
みなのお手本にもならないといけないという自覚がよりストイックにさせているのだろう。
そして、それだけではなく遠藤選手は「ボス・マネジメント」に関しても超一流なのである。
「ボス・マネジメント」とはあまり聴き慣れない言葉だが、これは組織において、役職の下位者が上位者をマネジメントするということ。
サッカー選手にとってのボス、つまり監督とうまくやることは、選手にとって、とても重要なことだ。
(ちなみにこれはサッカーに限らず、ビジネスマンにとっても超重要なスキルだと言われる)
監督の期待に応えるのが選手の役目
人間関係は多くの場合、持ちつ持たれつの関係だが、監督と選手の関係の場合、選手の方が監督に依存していることが多い。
だから選手は、自分の考えが監督と合わなかった場合や、自分のプレーが監督の指示命令により大きく制約を受けるとそれなりのフラストレーションが溜まり、時には怒りを感じる。
(特に遠藤選手のように優秀な選手は、その不満もいっそう大きなものとなるはず)
だからといって、選手は監督に戦いを挑んではならない。
監督の期待を理解しない、あるいは理解しようという努力を怠った場合、後々に苦労を強いられるのは選手の方だから。
監督の期待を見極め、ピッチ上でそれを表現するのは、選手の仕事(責任)だからだ。
(ビジネスの世界でもよく使う言葉に「ExpectionControl」がある。つまり期待値コントロール)
どんなにテクニックに優れていても、監督とコミュニケーションがうまく取れず、監督の期待に応えれない選手は出場機会に恵まれないというのはよく聞く話である。
ボス(監督)をマネジメントするには
では、ボス(監督)をマネジメントするにはどうすべきか。
これは相手が監督であろうとなかろうと、全てに共通して言えることだと思うが、相手を理解しようと努めることだ。
なんだそんなことかと思うかもしれないが、これがなかなかできないものだ。
特に若い選手は「自分が」「自分が」となりがちだからだ。
監督やあるいはコーチ、あるいはチームメイトが今置かれてる立場を理解しようと努めることがとても大事となる。
つまり、監督の目標は何か?監督は誰からプレッシャーを受けているのか?
監督の情報源は何か?そして監督が好む戦術や、プレースタイルはどういうものか?
などを常に気にかけている必要がある。
遠藤選手のJリーグ700試合出場や日本代表152試合出場は、どのようなタイプの監督からも起用され続けてきた動かざる証左。
つまり、遠藤選手は、「ボス・マネジメント」も秀逸なのだ。
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